ダイオードとは?――電流の向きを制御する半導体素子
ダイオードの基本動作、整流、順方向・逆方向特性、代表的な種類と用途を入門向けに説明する。
客観的事実この記事のタイプ:事実・解説
この記事の結論
- ダイオードは二つの端子を持ち、方向によって電流の流れやすさが異なる
- 整流、逆接保護、電圧制限、発光、受光などに使われる
- 材料と構造により順方向電圧、速度、耐圧、漏れ電流が異なる
まず結論
ダイオードは、二つの端子を持ち、一方向には電流を流しやすく、反対方向には流しにくい半導体素子です。この性質を使って交流を直流へ変える整流、逆接保護、信号処理などを行います。
アノードとカソード
一般的なpn接合ダイオードでは、p型側の端子をアノード、n型側をカソードと呼びます。アノード側をカソード側より高い電位にすると順方向、反対にすると逆方向です。
順方向では電圧を上げると電流が急に増えます。逆方向では漏れ電流を除いて流れにくい状態になります。
ダイオードは理想的な一方通行ではない
実物には次の特性があります。
- 順方向に電圧降下がある
- 流れる電流によって発熱する
- 逆方向にも漏れ電流がある
- 耐えられる逆電圧に上限がある
- オンとオフの切り替えに時間がかかる
回路設計では最大電流、耐圧、損失、温度、スイッチング速度を確認します。
主な用途
整流
交流の一方向だけを通し、直流へ変換します。1個を使う半波整流、4個を組み合わせるブリッジ整流などがあります。
保護
電源を逆向きに接続したときの逆接保護、コイルを切ったときに生じる電圧を逃がすフライホイールダイオード、静電気や過電圧を抑える保護素子として使われます。
発光と受光
LEDは電子と正孔の再結合によって光を出します。フォトダイオードは光で生じた電子と正孔を電流として検出します。
代表的な種類
| 種類 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 整流ダイオード | 比較的大きな電流を扱う | 電源整流 |
| ショットキーダイオード | 順方向電圧が低く高速 | 電源、高周波 |
| ツェナーダイオード | 逆方向降伏を利用 | 基準電圧、過電圧保護 |
| LED | 電気を光へ変換 | 表示、照明 |
| フォトダイオード | 光を電流へ変換 | 光センサー、通信 |
材料で何が変わるか
Si、SiC、GaNなど材料が変わると、耐圧、損失、速度、温度特性が変わります。SiCショットキーバリアダイオードは高耐圧電源で使われ、GaN系材料は発光素子でも重要です。